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妊娠中のアスリートのトレーニング強度について
皆さま、こんにちは。
ラクエルの鶴田です。
「全米ストレングス&コンディショニング協会」というトレーニング団体の資格を持っているのですが、資格を維持するために定期的に論文を読んで単位を取るという作業が必要になります。
そこで、今回読んだのがタイトルにある妊娠中のアスリートトレーニングについての論文。
正直なところ…
単位のための論文はそこそこ長くて、しかも文章が硬いので、毎回非常に腰が重いです。
ただ、読み始めると新しい知識を吸収できるので、やっぱり読んでよかったと思います。
この「腰が重い」→「やっぱり良かった」のパターンは、トレーニングにいらっしゃる皆さまと同じですね。
脳も体も定期的に磨きましょう!
妊娠中もそんなに運動して良いの!?
今回の論文はアメリカ・ニューハンプシャー州・プリスマ州立大学の女性教授のものでした。
アスリートに限ったことではありませんが、子育てだけでなく、それ以外の生き甲斐や自己表現の場を保つことも大切な時代になっているので、最近では、出産後に競技に復帰する女性アスリートも非常に多くなってきています。
アスリートの妊婦さんは、赤ちゃんの発育とご自身の健康に加えて、競技のために体力レベルを落とさないことも大事な要素になるため、どのくらいの強度のまでが安全にトレーニングを行えるラインなのかというは大切な指標になります。
赤ちゃんには妊娠初期に、脳や脊髄の元となる「神経管」が成長する時期があります。
この時期はお母さんの深部体温が高くなる運動は避けた方が良いとされています。
論文の中でも、この時期のトレーニング強度についてはまだデータが少なく、今後より多くの研究が必要としています。
ただ、それ以降については研究者によって数値の違いはあるものの
- 最大心拍数の80%程度(5分以上継続することができないくらいの強度)
- 30~40分程度
- ただし、血糖値が大きく下がらないようエネルギー補給を慎重に行う
という要件を満たせば安全としています。
最大心拍数の80%というと、息が切れて汗も多く出る強度なので、論文を読みながら少し驚いたというのが正直な感想です。
同時に、アスリートの妊婦さんという、どちらかと言えば少数グループの方のために、こうした研究が着々と進んでいることについても驚きを感じました。
妊娠中に筋トレをしても良い?
ところで、妊婦さんのトレーニングは1980年代頃までは積極的には推奨されていませんでした。
しかし、1990年代になり妊娠中の運動についての研究が進むにつれて、
- 妊娠中および産後の適正体重の維持
- 妊娠性糖尿病と高血圧の予防
- 胎児の発育の促進
など、母子ともに得る恩恵が大きいことが分かって以降は、積極的に運動が行われるようになりました。
筋トレもその中に含まれていて、日本ではまだ馴染みが浅いですが、欧米ではすでに一般の方にも広く浸透しています。
トレーナーの専門学校に通っていた20年ほど前、先述のトレーニング協会の施設で、妊娠中のマネージャーさんの奥さまが大粒の汗を掻きながら筋トレを行っていた姿を今でもよく覚えています。
体温を上げ過ぎないことや、妊娠期間に応じた種目の選択など、ガイドラインに沿った上でトレーニングを行えば妊娠中の筋トレは安全に行うことができて、お母さんにも赤ちゃんにもメリットが大きいです。
ラクエルでも、これまで20名程の妊婦さんがトレーニングを行ってきましたが、皆さま「やって良かった」と仰って下います。トレーナーとしても嬉しい限りで、お母さまもお子さまも元気にしているかなぁと時々思い出します。
妊娠中のトレーニングについては、以下のブログにも書いてありますので興味のある方はぜひ読んでみてください。
妊娠中もトレーニングをして大丈夫?
トレーニング業界では妊婦さんのトレーニングは定期的に取り上げられるテーマなので、妊娠中のコンディションを高めたい方は、ジムでのトレーニングも選択肢のひとつに入れてみてください。
山梨の方はぜひラクエルへ(^^)
ラクエル以外でも
・NSCA-NSNS
・NSCA-CPT
(全米ストレングス&コンディショニング協会の資格の略称)を伝にトレーナーさんを探してみると良いかもしれません。
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知識が広がることは、人の役に立てる幅も広がるということ。今回の論文を読んで、改めて勉強の楽しさを感じると共に、今後も妊婦さんのトレーニングや、赤ちゃんの成長に触れる機会を持てたら良いなと思いました。
また「なるほど」と思ったトピックがあった際は、ご紹介させて頂きます!
トレーニングで解決できる問題は、思いのほか沢山あります。
身体のお悩みがある方はぜひラクエルへ!!